2014年10月26日日曜日

あんな風にふたりで歩きたい-「その日のまえに」

録画してあった、大林監督の「その日のまえに」を観てみました。
「その日」とは、映画「おくりびと」やドラマ「風のガーデン」などで描かれた日のことで、
古くは北野監督の「HANA-BI」などでも描かれたテーマです。
愛する人を、それぞれがどのように送り出していくのか、あるいは
愛する人は「その日」を迎えるにあたって、どのような態度でいるのか。
そんなことが描かれています。
劇中に飛行機が雲をつくって飛んでいくシーンが象徴的に出てきますが、
これはユーミンの曲を意識していたんでしょうか。
あの曲も同じようなテーマでしたよね。

私が好きだったのは、ふたりで心を合わせて、想い出の街角を巡るシーンかな。
私自身のことで言えば、好きな女の子と街や風景を巡ったとき
街や風景よりも女の子の方がよくって、女の子ばかり見ていたり
街や風景に思い入れが強すぎて、女の子の気持ちをおいてけぼりにしてしまうようなこと
ばかりだったかもしれません。
同じようなレベルで両立できれば、ホント素晴らしい日になりますね。
映画の二人にはそれがあって、羨ましく感じました。

その日のまえに.jpg

もうひとつ、劇中永作博美が、寄り添いながら

あなたが仕事をしているそばで
私は猫みたいにまるまって眠る
それが私のしあわせ

と、ぶっきらぼうにしてるナンチャンに言ってました。

これ、男は幸せに感じると思いますが、
女の人って、こんなこと思うもんなんでしょうか?
そうあって欲しいなと願いますし、憧れますが
そうなんだと思いこんで生きてると、
そんなことあるわけないじゃないって笑われそうな気も
するんですよね~
どうなんでしょう?

大林監督ってたぶん、私たちが普通感じることよりはるかに多くのことに対して
やさしいなぁとかきれいだなぁとか感じてるんだと思います。
だからどうしても、あれも美しいこれもやさしいと、
てんこ盛りになりがちなんじゃないでしょうか。
この作品にも人によっては受け止めきれないと思われるエピソードも入っていて、
そこがちょっぴり残念かなぁと思いました。

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